同級生
翌日も、翌々日も、一哉は和華達と図書館に行き、苛立つ気持ちを必死で押し殺していた。

期末テスト最終日、テストが終わったにも関わらず、一哉は一人で何処かに行こうとしていた。

「何処行くんだよ?」

「和泉の家。今日泊まるんだ」

「泊まり?…和華もか?」

「いや、違うよ。明日会うけどな」

「は?何言ってんだよ?」

「明日、祭りなんだってさ。和泉と和華って家が近いから、今日は和泉の家泊まって、明日祭りに行くんだよ。窪塚と3人で」

「…諦めたんじゃねぇのかよ?」

「諦めたよ。告るのはな?じゃあな」

逃げるようにチャリに跨がり、颯爽と消えて行った一哉。

頭に血が上るのを抑えるように、大きくため息を吐いた。



自分も行けば良いとは思うけど、行ったって目を合わせてもくれないだろうし、ストーカーのような真似はしたくない。

大して口も聞かない奴がいきなり現れたら、和華自身が驚くだろうし、何より一哉と和華が一緒に居る所を見たくない。


一緒に居る所を見たくないから、更衣室にも行かなかったんだけど…


< 93 / 196 >

この作品をシェア

pagetop