同級生
試験休みに入っても、補習と就活のせいで、ほとんど学校に顔を出していた。

学校に行く度に、みんなと顔を合わせていたけど、和華の顔を見る事は無かった。



………終業式には必ず会える!



そう思っていたけど、和華は学校に来なかった。


「和華ちゃん、来なかったな…」

公園でタバコを吸いながら、遠い目をし呟く若林に、一哉が平然と答えた。

「入院中らしいよ?風邪拗らせて、肺炎になったらしい。祭りの夜、調子悪いクセに和泉の家の庭で水遊びしたのが原因だろうな?」

「何処で入院中!?」

「さぁ?そこまでは…」

「マジ使えねぇ…。俺、今年は行けなかったからなぁ…。大久保が教えてくれなかったから…」

一哉の答えに、ガックリと肩の力とタバコを落とす若林。

若林の足元から上っていく煙は、若林の体に纏わりつき、魂が抜けていくようにも見えた。



………ヤベぇ。こんな風になりたくねぇ。一哉と和華が一緒に居る所見るの嫌だけど、このままだとこんな風になっちまうよな…



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