同級生
通常授業がはじまると、一哉は相変わらず昼休みにフラーッと消えていた。

ただ、以前と一つ違うのは、一哉は毎日一人で何処かに消え、大久保は窪塚と教室で話している事。


大久保と窪塚が教室に居るって事は、一哉は和華と二人きり…

高校生の男女が長時間二人きりになっている事実は、辛い現実を見せつけているようにも思えた。

本当は二人の居る場所に行きたいけど、辛い現実を目の当たりにしたくない。


辛い現実から目を逸らすように就活に励み、切な過ぎる事実に目を向けないよう、以前よりも真剣に授業を受けた。


この行動が功を奏したのか…
文化祭直前には内定を貰い、ホッと胸を撫で下ろした。


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