同級生
文化祭の最中、一哉は2時間以上も姿を消したままだった。

見慣れない制服姿の男女や、中退していった奴。

卒業生までもが視界に飛び込んだけど、一哉と和華の姿だけは見つけられない…

廊下の片隅に人志と座り込み、何気なく人志に切り出した。

「…まだ居ねぇな」

「一哉?」

「ああ」

「『秘密の花園』じゃね?」

「は?知ってんの?」

「和華に聞いたよ。アイツ、超ヤンキーだよなぁ」

「…いつ聞いたんだよ?」

「あ…、イッケネ。そういや担任になんか言われて…」

話から逃げ出すように教室に戻った人志。


学校の中ではいつも隣に居て、全てを見てきた人志の行動。

人志が和華に近付く時は、セクハラをする時以外無い事も知っているし、和華の警戒が解けていない事も、和華と普通に話している事が無い事も知っている。


ゆっくりと人志の教室に入り、睨み付けながら人志に切り出した。

「何隠してんだよ?」

「な、なんも隠してねぇって!」

忙しなく動く人志の目と、挙動不審な人志の手の動き。

黙ったままジッと睨み付けていると、人志の手はポケットの中に入り、グッと何かを掴んだ。


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