同級生
開いていた人志の携帯を逆に折り畳み、壁に投げ付けた。


ここまでする必要が無いのはわかってる。

和華が『自分の女』じゃ無い事も、人志がただ電話をしただけなのも、こうなったのは臆病な自分の責任と言う事も全部わかってる。

でも、苛立ちを抑え切れず、人志の携帯に当たってしまった。


小さな衝撃音と共に、粉々に砕け散った携帯の一部と、無残な姿に変わった人志の携帯。

小さな爽快感に襲われたけど、爽快感の後に襲ってきた大きな虚しさ。


こんな事をしてる間も、一哉は和華と二人で居る…


小さくため息を吐いた後、黙ったまま教室を後にし、二人の居る更衣室へ向かった。

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