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ホテルに着くと、片桐さんは、周りを気にしながら、足早に、私をお母さんのいる部屋に連れて行った。

部屋に入ると、ソファーにお母さん、向かい側に、プロダクションの社長。他にも事務所の人が2人。

お母さん、私に気付き、

母「さっちゃん、さっちゃん!」

そう叫んで、私に抱きつき泣き崩れた。

紗智「お母さん?どうしたの?」

社長「さっちゃん、お話しがあるんだ。ちょっと、ここに座ってくれないか?」
私は座り込んでいる、母の肩を両手で掴んで、母の顔を覗き込む。

母は、小さくうなづいた。
私は、母とソファーに座った。

社長「実はね、さっちゃん。君のお父さんの事なんだ。詳しくは…言えないけど、君のお父さんが、ある事件に巻き込まれて、警察に捕まったんだ。」

私は、思わず母を見た。

母は、黙ってうなづいた。
社長「それでね、マスコミが大変な騒ぎになってる。」
社長「心配しないで、さっちゃん。君は、僕達が全力で守るからね。」

社長「それから、暫く、お母さんと、ホテルにいて欲しいんだ。」

片桐「さっちゃん、何か必要な物はある?私が用意するから。」

私は、黙ったまま首を横に振った。

片桐「そう、じゃあ、何か必要になったら言ってね。」

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