I love you more
私は、社長と2人で37階ににある、中華レストランに行った。

店員「西岡社長様、お待ちいたしておりました。奥のお部屋をご用意致しております。どうぞ、こちらへ」
部屋に入ると、そこは一面ガラス張りで、夜景がまるで一枚の絵みたいだった。
紗智「うわぁ~!!」 

私は、思わず声が出た。

社長「よかった。今日初めて、さっちゃんの笑顔を見れたよ。座ってごらん。何でも好きなものを頼みなさい。」

紗智「からあげ!!」

社長「はははっ、他にも色あるんだよ?メニュー見てごらん?」

紗智「唐揚げが好きなの、唐揚げ食べたい!!」

社長「わかったよ。日本一の唐揚げ、作ってもらおうね。」

社長は、にこにこ笑った。
社長「さっちゃん、窓の外を見てごらん。」

宝石を散りばめたような景色に目は奪われっ放しだった。

社長「ここから見る景色は、とても素晴らしい。だが、一つ一つの明かりを身近でみると、綺麗というものではない。必要だから電気を付ける。その家の一件一件、幸せな所もあるし、苦労している家もある。けど、ここからみると、どの家の光も綺麗なんだよ。わかるかい?」

夜景を見つめたまま、私は、うなずいた。

社長「うん。そして、あの家の一件一件は、芸能人に似てるね。ここから見る景色は、テレビの向こうの視聴者みたいだ。一つ一つ個性もあるよ、大きかったり、小さかったり、黄色だったり、赤だったり。」  
紗智「うん!!」

社長「芸能界は、見ているだけだと綺麗だけど、近くで見てるとそんなもんじゃない。さっちゃん、君にはまだまだたくさん時間があるんだよ。今から次第で、光が、大きくなったり小さくなったり。それはね、芸能界に限らず、皆、光を自分で育てるんだ。だから、どんな事があっても、諦めちゃいけないよ。君の灯りは、今から決まるんだからね。君は、僕の希望の灯りでもあるんだよ。皆、君の事が大好きなんだよ。」

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