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子役からの旅立ち

私も、お母さんも眠れない夜だった。


母「さっちゃん、そろそろ記者会見の時間だけど、テレビみる?」

紗智「…う~ん、いい。
お母さん、気になるでしょ?見ていいよ。私、寝室にいるから。」

母「そうね。社長さんが、私達の代わりに、矢面に立ってくれてるんだもの。私は、見守るわ。」

紗智「…じゃぁ、私、行っとくね。」

私も、社長には、悪いと思ってる。けど、……怖い。きっと、マスコミに攻められる。私の為に、困ってる社長を見たくない。


私は、テレビの声も聞こえないように、ベッドに入り、頭から布団を被っていた。

その内、昨日寝ていなかったからか、ウトウトと、眠ってしまった。

どれ位眠ってたんだろぅ…
隣から、男の人の声…。

紗智「社長……?」


社長「おお、紗智ちゃん、目が覚めたかい?」

紗智「社長…大丈夫だった?」


社長「あぁ、私は大丈夫だよ!でも、まだ暫くは、マスコミは、油断できないからな。」


母「さっちゃん、不自由だけど、もう暫く我慢してね。」

社長「それでだな、さっちゃん、暫くは、芸能活動は、休止しなくちゃならない。いつまで…とは、約束できないんだ…。」


母「それでね、社長と話したんだけど、1、2年、留学しない?」

紗智「留学って、何?」

社長「留学って言うのはね、外国に行っても、、その国の言葉や生活を学ぶんだよ。」

紗智「外国って、なんで?」

母「日本に居たら、ずっとまともな暮らしはできないわ。学校でも、もう皆が知ってる。嫌な思いしなきゃいけないのよ。」

私は、写生大会の時の、三人の男の子達の事を思いだした。


社長「さっちゃん、私は、君を守ると言っただろ?私達は、それが一番いいと思っている。不安だろうが、君も考えてくれないか?」
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