I love you more
母は、仕事に対する私の姿勢にも、非常に厳しかった。撮影などで、疲れて帰っても、翌日の撮影の為の稽古を欠かさなかった。母が納得して、「よし。今の表情を忘れないで。」と、言うまで。

私には、そんな毎日が当たり前だった。由美ちゃんに会うまでは…。

母は、私の事をプロダクションの人達に任せず、マネージャー的な事は、全てこなした。営業も母が自ら頼み歩いて、仕事を取って来る事も、よくあった様だ。
そんな母に、逆らうなんて事は、全くあり得ない話しだった。


だから、あの時の由美ちゃんのお誕生日会も、それ以上母に切り出す事は、出来なかった。


< 8 / 21 >

この作品をシェア

pagetop