イニシャルはKK
あの時の人だ。

文化祭の日に電話をしてきた人。
文化祭を抜け出して、響吾が会いに行った人。

あの時、私は酷く動揺してたけど、間違いなくあの人だ。

綺麗で大人な女性。
長い髪をカールさせて、上目遣いに響吾を見てる。
細い腕を響吾の腕に絡めて。

「きっと、何か…
そう、きっと何か理由があるんだよ」

私を説得するように話すクルミ。


もう、いいんだ。


ありがとう、クルミ。

私は響吾に嫌われちゃったんだよ。

あんな綺麗な人に敵うワケなんてないんだ。

私たちはもうおしまい。

きっと、もうおしまいなんだ。
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