イニシャルはKK
交互に歌がセットされて、みんなが歌っていく。

「次は歌音ちゃんの番だよ」

隣りの明さんが言う。

「いやぁ、マジ 歌ダメなんで…」

断っても分厚い本を渡して迫って来る。

「『歌』に『音』で『カノン』って名前なんでしょ?
歌う為に生れて来たようなモンじゃん」


いえいえ。
名前を決めたのは私じゃないです。


「一人が恥ずかしいなら一緒に歌ってあげようか?」

追い討ちをかけるように明さんが続ける。

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