イニシャルはKK
そう言うと響吾はシャツを脱ぎ始めた。

「見て。俺の勲章」

そう笑って見せる響吾の胸には、目を背けたくなる程の手術痕があった。

「この中に奏がいる。
人が見ると驚くような縫合の痕も…俺にとってはかけがえのないものなんだ」

「痛かったよね?
辛かったよね?」

それ以上の言葉が出て来なくて…
私は抱きついたまま、ずっと泣いた。
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