イニシャルはKK
私たちがお墓参りすることを聞いて、わざわざ出向いてくれたのだろう。

「奏…あの子、気が弱くてね
父親がいなくてクラスで仲間はずれにされてたの。
ある時、学校の帰りに公園で かわいいお友達が出来たって それは喜んで。
それからは毎日のように『アメくれ、アメくれ』ってうるさくてね。
ある時、私に逆らった事の無かったあの子が、私の再婚には大反対して。
ううん、正確には再婚に大反対だったんじゃなくて、再婚してここから引越するのがイヤだったみたい。
最後までゴネていたわ。
それぐらいカノンちゃんと別れたくなかったんでしょうね。
こんな事なら…時々でいいから ここへ連れて来てやれば良かったわ」

話を聞きながら、私も響吾も涙を流した。
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