イニシャルはKK
いつの間にか『恋愛について』の話題になり、それぞれが過去の恋愛や好きなタイプなどを話し始めた。
もちろん恋愛経験のない私は話せる体験談などなくて。
好きな男性のタイプを話そうと思ったらクルミが割り込んで来た。

「歌音ったら未だに初恋のお兄さんを待ってるんですよ~」

「ヤメてよ、クルミ。
その話は内緒!」

内緒…その言葉の甘い響きにみんなが私を問いただす。

浴びせられる質問に黙秘権を行使すると、代わりにクルミが答える。
お兄ちゃんと私だけの秘密が見ず知らずの人に広まっていく…。

目眩がした。



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