イニシャルはKK
引き出しの奥にしまった小箱を引っ張り出す。

「あった!良かった…」

小箱の中には可愛い指輪。
おもちゃの赤い石が付いた小さな指輪だった。

いつの間にか小指にも嵌まらなくなって
失くしてしまわないように、と小箱に入れたんだっけ。

やっぱり身に着けていた方がいいのかな。
私は指輪をチェーンに通すと、ペンダントトップの代わりにした。

ねぇ、お兄ちゃん。
こうしていれば
私の事、思い出してくれる?
私に会いに来てくれる?

願いを込めて
私はそのチェーンを首に掛けた。
< 39 / 217 >

この作品をシェア

pagetop