イニシャルはKK
「俺さ…生まれつき心臓が弱くてさ」

えっ?
そうなの?

「運動が制限されてて、走るなんて以ての外だったんだよ。
ま、今はそれ程でもないんだけどね」

「そうだったんですか?
それは…すみませんでした」

「お前って…結構しっかりしてるよな?」

「何がですか?」

「応対っつーの?
悪いと思ったら、ちゃんと謝るし。
きちんと話の出来るヤツだなって思ってさ」

「どこがですか!?」

「ほら、初めて会った合コンの日だって、遅れたから『謝れ』って言ったら、ちゃんと謝るし
ウーロン茶を頼む時も『ウーロン茶をお願いします』って言っただろ?
フツーのヤツなら『ウーロン茶』で終わるじゃん」

そんなもん?

「それは…どうもありがとうございます」

「きっと親の育て方が良かったんだろうな」

そう言って笑う響吾さんは、いつのも響吾さんと全然違ってて。
とっても穏やかで爽やかだった。
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