イニシャルはKK
 『泣かないで。
 ほら、キャンディをあげるよ。
 お口をあーん、してごらん。
 甘くておいしいよ』

優しくそう言うと
ポケットの中から
キャンディを取り出して
私の口へと運んでくれた。

なかなか泣き止まない私の背中を、ゆっくりとさする小さな手。
私を落ち着かせるように、時折ポンポンと叩いたり。

 『大丈夫だよ。
 もう怖くないからね』

耳元で聞こえる優しい声。
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