二度目の恋
この“嬉しい”という言葉の意味が“恋”というのではないけれどなぜか嬉しかった…。

でも時々思ってしまう。
君もあの人と同じ人間。
始めは側にいても、いつかは離れていく。
君を私の両親に重ねていた。

よく考えてみれば、いや考えなくても解るのに。
顔だって性格だって全然違う。
なのに、君と両親を重ねてしまう。

君だけじゃない。
他の皆もきっと重ねている。
だから私は誰とも話せないのかもしれない。


「どうかした…?」


知らない間に“ブツブツ”言葉にして言っていたのだろう。
享弥が心配してきた。


「あ…うん!大丈夫!!」


私は無理に笑ってみせた。言ったほうがよかったかもしれないけど、何て言ったらいいか解らないし、私自身が言いたくなかった。


「わかんねぇー…」

「え…??」


前の私とは逆に次は享弥が苦戦していた。
頭いいと思っていたけどやっぱり普通だった。
なんか可愛くて私はつい笑ってしまった。


「なっ…なんだよ」

「くすっ…べつに…」


少しふて腐れた顔をしながら享弥が私を睨んだ。
でも、怖いわけでもなくてそれが逆に可愛くて私はまた笑ってしまった。
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