二度目の恋

―小学生―

昔の私は今の私みたいに明るくもなく、あまり自分から話す事もなかった。
“友達百人”なんて簡単に言うけど、実際はそう上手くいきはしない。

そんな私がここまで明るくなったのは、きっと君のおかげだと思う。
君は多分気付いてないと思うけど、そのほかにも私はいっぱい変わったんだ。
おおげさだと思うけど、まるで別人のように。
そう思えるぐらい変わった…。

昔の私は、自分の気持ちもあまり言わなかった。
うんん、言えなかったんだ。
なるべく自分はいい人でいたいし、そう思われたくて本当の事は何も言えずにいた。
素直じゃなかった…

でも君が教えてくれた。
きっと君は気付いていないだろう。
それでもいい…今の私は君のおかげだよ。

君と出会ったのは小学6年。
いや、それよりもっと前かな?
君と出会ったんだ。
どちらかと言えば、君もあまり話すほうではなかった。
笑った所も見た事がないくらい、本当普通の男の子。私と君の出会いはごく普通だった。
今でもうっすらと、覚えている。

あれは席替えの時だった。たまたま私が選んだ席の隣に君も座ったんだ。
“よろしく”とか何も言ってこなかったから私も何も言えずにいた。
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