チョコレート・ウォーズ!!!
誉の弱みを握った俺様は、その後も飽きるまでマザコン男をからかい続け
日がとっぷりと落ちるちょっと前に教室に戻った。
これで誉にでかい顔をさせなくて済むと思うと
自然と口元も緩んでくる。
そっかー俺が誉の弱みをねー
うへへへへへへ…
ガラリ。
ドアを開けると、教室中に黄金色の光が差し込んでいて
神秘的というか、幻想的というか…
とにかく、すっげー綺麗だった。
すると…
「須藤…くん?」
「え…」
逆光で顔が見えないけど
誰かがこっちに向かって歩いてくる。
この声は、この 透き通るような声は……
「藤野…?」
「…うん」
辛うじて見えた彼女の笑顔は、
夕陽のせいなのか 真っ赤に色づいていた。