チョコレート・ウォーズ!!!
今なら津田のような邪魔臭いヤツも居ない。
藤野の友達も居ない。
それに
もうすぐ暗くなる。一緒に帰る口実なんてそれで十分だよな。
ゴクリ。
喉が鳴る。
目だけで彼女を見てみると、もじもじとしながら俯いていた。
もしかして、
俺の誘いを待ってる…?
……いやいや!!待て!!よく考えようか、貴光君!!
もし俺のカンが間違っていたら…
好きな子に拒否られ、クラスメイトにもキモがられ
これから異性とは話すことなく一生独身&童貞貴族まっしぐら
なんてすっげー間抜けな人生を歩む事になるんだぞ――――!!
え?考え過ぎ?
ふ…ふふ…ふへっ。俺様は、常に最悪の結果に備えて心の準備をだな…
いや、でも…
今しかないんだ。
これが神から与えられたラストチャンス!!
そうだ。そうだよ!
男なら…漢なら!!
ぐっ と拳を作って、豆粒位しかない勇気を振り絞って口を開いた!
「よかったら!!
一緒に帰りませんか!!!!」