チョコレート・ウォーズ!!!
お前は誰だ!!
こういう時って、何を話せばいいんだろう。
「えっと…家ってこっち?」
「う…うん!そう、この先…」
俺は史上最高に緊張していた。
真冬なのに汗が背中を湿らせる。
誰が見たって挙動不審だし、俺の左手は彼女の右手を常に狙っていた。
―――藤野は、俺の誘いを待っていたかのように
笑って『勿論』と言ってくれた。
だからこうして二人で帰っているわけで…
けど、それが良かったのかどうかなんて分からない。
っつーか、寧ろ悪かったんじゃ…?
こんなに会話が無いなんて、ツマンナイ男だと思われたんじゃなかろうか。
やっと言葉に出せるのは道順に関しての質問だけで。
そのほかの質問なんて頭の端っこにすら浮かばない
究極にヤバい状態なのだから。