チョコレート・ウォーズ!!!
「もう、11時かよ…」
朝だと思っていたのに、カーテンで光が遮断されているせいで勘違いをしたようだ。
「おい、起きろよ」
六角の上で死んだように眠る津田と
それを抱きしめながら眠る六角を蹴り起こす。
「むにゃ…お腹すいたぁー」
「おい、俺を抱きしめるとは…。お前ホモか?」
「…いや、最初にお前が俺を抱きしめてたんだが」
何だか中身のない会話をし、『嘘だろ!?』と必死になっている津田をシカトして
誰かいる筈のリビングへと降りて行った。
案の定、そこには…
「おー。起きたの?あんた達うるさくて眠れなかったんだけど」
着古したスウェットでソファーに寝っ転がりながら煎餅を喰らい
更には腹まで大胆に掻きむしっている女。
俺の3つ上の姉貴だ。
「…腹見えてんだよ。朝っぱらから んなもん見たくもない」
“静香”なんて名前の姉貴は、『名は体を表す』っていうことわざの
根本的な部分から否定できそうな位騒々しい女。
こんなのと一緒に居るからきっと、清楚な藤野が好きになったのだろう。