チョコレート・ウォーズ!!!
「あ…りがとう。
俺、本当に藤野が大好きだ!!
付き合って下さい!!!!」
「…はいッ」
こうして。
俺の、俺たちの
チョコレート争奪戦は静かに幕を下ろした。
その後、小さな公園まで移動して
はらはらと降り始めた白い結晶の中、愛が沢山詰まったケーキを食べた。
優しくて、甘い 素晴らしい味。
「…何で学校でくれなかったの?」
さりげなく聞いてみる。
「だって、他のみんなには買ったチョコなのに
須藤君にだけ手作りだなんて みんなにバレちゃうと恥ずかしかったから…。
あっでも、須藤君が好きって事が恥ずかしいとかじゃないからッ
一緒に帰ったり…しようね?」
…俺という男は、なんと罪なヤツなんだろう。
たった今出来た彼女に、こんなに嬉しい言葉まで言わせてしまうとは。
鼻の下を目いっぱい伸ばしながら
彼女をじっと見つめた。うん、変態だな 俺☆
「ねぇ?
なんで…チョコ、くれたの?」
今度は藤野から質問を受ける番だった。
俺は『んーー』と言いながら、未だ振り続ける雪を眺める。
「逆チョコも…有り だと思ってさ。
ホントはちゃんとしたのをあげたかったんだけど
コンビニにはもう置いてなかったから。
そんなのでゴメンね」
オシャレでも何でもない、ただのチョコ。
こんなもん、受け取ってくれただけで十分だ。
それなのに
「ありがとう。
大切に、食べるね」
なんて、鼻血もののセリフを返してくれる彼女は
世界中で再ッ高の女性だ。