チョコレート・ウォーズ!!!
そんな彼女を好きという男は掃いて捨てる程居るのは分かっている。
美人で性格も、気立ても良くて。
ノートを取るだけの動作でも、何だか見惚れてしまう位に美しく感じる彼女がモテない筈はない。
「…俺、チョコ欲しいな…」
小さく呟いた津田の目線の先には、やはり藤野が。
「俺も…」
膝を抱えるように座る六角の見つめる先にも。
「俺だって…」
…そう、俺達、仲良し三人組は
よりによって好きな子も 仲良く一緒だった。
そんなの、わざわざ言葉にしたわけじゃないけど
一緒に居れば分かるんだ。
俺たちは、藤野の事だけは話題に出さない。
他の女子の事は、胸がどうとか 尻がどうとか。
そういう事には話題は欠かないけれど、彼女の事だけは…なんっつーか…
神聖な物の様に
性的に見たりはしない。
いつしかそれが暗黙の了解みたいになってる。
勇気が無い俺たちは、誰かが一歩を踏み出すことを恐れているんだ。
口にしてしまったら、この3人の仲も壊れてしまうんじゃないか
少なくとも俺は、そう思ってる。