チョコレート・ウォーズ!!!
あまりの衝撃に何も言えなくなった俺に構うことなく、普段通りのテンションでカミングアウトする六角。
「まさか、俺が藤野の事が好きだから話題に出さないとか思ってたわけ?
貧乳が好きな俺が?」
え…そこ、言っちゃうんだ?
カミングアウトする所違くね?
そして六角は更に続ける。
「俺が欲しいのは沼田チャンのチョコだし。
藤野はキョ-ミねぇから話題に出さなかっただけだ!!」
そ…んな…。
てっきり俺は…
俺は…!!
「なぁー。手、離してくんね?」
「………あ?」
言われて、未だに津田のジャージを掴んでいた事に気付く。
ぱっ と手を離すと、ゴツンと鈍い音がした。
「痛ッ――~~~!!」
「津田……相変わらずの運動音痴だな…」
自分が離せって言ったくせに、後ろの壁に頭ぶつけるなんてアホすぎるぞ。
頭を抱えながら、声にならない音を発し続ける津田に
人生最大 と言っても良いくらいの勇気を振り絞って
「藤野のチョコは俺が貰う」
啖呵を切ってやった。