春
「担任の中原です、よろしく!!」
ぼーっとしてると先生が話し出した。
「早速ですが番号順に自己紹介してください」
「え~っ!!」
みんなのりがいいな…
なんでも名前と出身校、特技を言うんだって
ダルいけど先生いいやつみたいだしね
んなこと考えてるとオレの順番が来た
「篠崎春、三吉中、特技は………」
言葉に詰まって辺りを見回す
みんな意外に聞いてくれてる
ホントいいクラスかも…
いくら考えてもダメだから
開き直ってぼーっとしていると
「なかったらいいのよ?」
黙り込んだオレに先生が助け舟を出した
「…ん、まぁ、ないっす」
「そう、じゃあ席ついて」
「すんません」
「はい…でも三吉中の篠崎がくるってバスケ部の先輩が喜んでたわよ?バスケは得意じゃないの?」
『ガタッ』
「…」
ヤベェ、動揺するな
「それは…」
『ゴクっ』
「たぶん別人っす」
笑顔で答える
「そう、じゃあ次は迅野君ね」
何事もなく次の迅野の順番が来た
なのに何だ?
この気持ち…
やめろよ…
やめろ…
オレは…違う