春
「なっ…」
言葉が出ない…
頭が真っ白だ
みんなの視線がこちらに集まっている
そして満面の笑みを浮かべるクニミツ
「な、何言ってんだよ!訳分かんねえ!!」
睨み付けるオレを見ても微笑むクニミツ
「久しぶりにハルのマジな顔見たよ」
オレ達のやり取りを聞いていたクラスメイト達がざわめき出した
「気づかなかったけどあいつと対戦したことある!!」
「ハル君ってよく聞いたよ」
「あの篠崎君?」
ヤベェ…
「ちっ」
やってられっかよ
『ガラッ』
オレはクラスを飛び出していた
「篠崎君!!」
中原先生の声が聞こえたが止まれない
オレはただ走り続けた