春
そう自分に言い聞かせて一階に降りる
「母さーん飯は」
「早っどしたの」
この友達みたいな人が母さん
でも、尊敬してる
母さんはほとんど女手一つでオレを育ててくれたから…
「うん、ってかご飯は?」
「あぁそうだった、出来てるよ」
机につくとそこにはいつもの目玉焼き
ごまだれをかけて…
「いただきま~す」
ごまだれはないって?
うるせ~
飯を食べていつものニュースを見ながら着替える
「クソっ」
ネクタイってムズイ…
悪戦苦闘したがなんとか形にする
あっ…
「この髪なんか言われるかなぁ」
秋に染めた茶色い髪
中学ん時は先生うるさかったからなぁ…
「なんか言われたら治せば?」
母さんはどんな時でもオレの意見を尊重してくれる。
恩返ししないといけないな…なんて思ってる
「じゃあ行ってきます」
ワクワクしながら自転車に乗る
十分ほど行くと緩やかな坂が始まった
ここを登るとオレの目指す桜陵高校がある
ふと周りを見渡すと同じ学校の生徒がちらほら見え出した
知り合いがいない…
なんてぼーっと考えていると…
「ハル、ハルーっ!!!」