「っつ…」


あまりにでかい声に耳をふさぐ


「お前も桜陵なんだ、マジびっくりした~」

このオレより茶色い髪の奴は風屋涼


中学ん時のツレ


めっちゃ仲良くてクラスじゃいっつも一緒に怒られてた


「ハルは志望校オレにも言ってなかったからなぁ


まあ迅野が言ってたけど…」


「はっ?」


なんであいつが知ってんだよ…

怪訝な顔のオレを見て

しまった…という顔をした涼


「あ、いや…違うん…」


そこで言葉を止めた涼の視線の先には可愛らしい女の子のかたまり

「わりぃ、あの子達と仲良くなってくる」


涼は半端なくモテる


そして半端なく手が早い


「ねぇねぇ?」


「ぶっ!!」


音速で移動した涼に爆笑していると女の子と目が合った


女の子はあっという間に目をそらす…


「ハァ…」


なのにオレのモテなさはなんなんだ…


涼はいいよなぁ~


なんてぶつくさ言いながら正門をくぐる


涼の言った

「迅野」

という言葉に引っかかりながら…
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