年上。
まぁ、それは当然の義務だろう。

やれやれ、学園内の美少女について語り合う会とやらが表立たない事を願うよ。

一時間目……数学。

担任の授業か。

どの程度の授業内容か見るには丁度いい機会だな。

さて、実力の程は如何なものだろうね。

教科書とノートを取り出して、あとは読書。

内気と言われようが、これだけは俺の衝動に反する。

早く読んでしまわないと、次の本に進めないでは無いか。

これでも読み溜めている小説の量は十を超しているのだから。

黙々とページをめくる。

さぁ、犯人のトリックを暴いた主人公。

そして、犯人を名指しするその部分へと進もうかと思ったその瞬間に、不幸にも号令がかかる。

……犯人は一体誰なんだ!

畜生、いいところで!

くっそう……。

「では、教科書の四ページ目を開いてください」

聞こえてくる担任の声。

俺は言われたとおりに、そのページを開く。

ついでに、いつでもノートに書き込めるようにもしておく。

やはり犯人が気になる。

席が窓際一番後ろの席であるという利点を活かして、読書を再開する。

正直、一年の復習は春休み中に終わらせてあるので、必要はない。
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