−大切な人−
なのに……。
二つめは
あたしの元彼。名前は…………藤沢蓮斗………。
中一から付き合いはじめた。
蓮ちゃんから。
最初は普通に一緒にいて
楽しい存在だった。
顔もカッコイイし、
性格もいいし、いい人って思ってた。
で、一緒いるうちにあたしに
とってかけがえのない人に
なった。なのに…
中三になった時、
蓮ちゃんはいった。
「ごめん。もう無理だ、別れよう。さようなら」
あたしは意味がわからなかった
何もしてないのに…
突然だった…
だけど
わかったんだ。
きっと…
あたしに愛想尽きたんだと、
あたしが全部悪いんだ。あたしがうざかったんだ。そう考えないと無理だった。
しつこく蓮ちゃんを求めそうで。
だからそう思うしかなかった。
蓮ちゃんはモテたから
女子は痛い目線でしか
あたしの事を見てなくて…。
あたしはひとりも友達がいなかった。きっと友達がいたらまだ信じる事ができたかもしれない……。だけど蓮ちゃんを失った時、あたしには、大切な人が一人もいない事になった。

あたしはその日から
大切な人を、大切な存在を
作りたくなかった。
作るのが怖かった。
























大切な人を失うのが
どんなに怖く、切なく、
苦しい事か
知ってしまったから。


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