−大切な人−
転入してきた男が
あたしを呼んだ。
はい
無視。
あたしは
転入してきた男がいる
逆の窓側を見つめた。
「………。」
「おいっ、」
無視ー。
「………。」
「…あ゛?無視?」
転入してきた男は
あたしが無視してるのが
よっぽど頭にきたらしい。
急に声のトーンが下がり
低く太い声が
あたしの耳に届いた。
あたしも流石にそれには
ビクッとしてしまった。
それでも無視した。
あんたみたいな男
大っ嫌い!関わりたくない!
心の中で何回も何回も
呟いた。
「……無視するとは
いい度胸だな」
転入してきた男が言った。
………
しつこいっ!!!!
ガタッ!!!
あたしは椅子から
立ち上がった。









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