Kissシリーズ・「ワル男とのキス」
「ふぅん…。まっ、それでも良いか」

ヤツは興味のなさそうに、軽く息を吐く。

…こんなヤツ、早くいなくなればいい。

そうすれば、安全で平和な学校生活を送れるんだ。

さみしくなんて…ない。絶対に思わない。

唇を噛んで睨みつけると、ヤツはニヤッと笑った。

「でも、その時はアンタも一緒な」

「はぁ!?」

…またいつもの口だけのか。

しかしヤツは立ち上がり、いきなり私を抱き上げた。

「なっ! ちょっえっ、放せ!」

「オレはアンタが良いんだ。アンタに決めた」

ヤツの顔が間近に迫ってくるのを、私は…止められなかった。

「んっ…」

ヤツの熱い唇に触れて、背筋に電気が走った。

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