lotlotlot3-血脈の果て-
毛はお邪魔する
僕の村の周りには、野生の動物が多い。けど、なかなか遭遇する事はない。それはお互いに畏れて、互いの領域を侵害しないようにしているからだ。
僕もそれを心がけ、森にある長い一本道を歩いていた。ここは人の領域のはずだった。
「・・・。」
言葉は出なかった。代わりに汗がドッと吹き出てきた。
目の前には大きな黒い毛の塊がいる。僕にはそれが何かわからなかった。
「じいちゃん・・・?」
足下にいる犬に話しかけた。この犬の中に、じいちゃんの魂が入っている。前は中にいるじいちゃんと話せたけど、今は難しそうだ。こんなに僕が困っているにも関わらず、何も言ってくれない。
「やっぱ、ダメか・・・。」
一人でどうにかするしかない。覚悟を決めた。ただ、毛の塊は僕に何かしているわけではない。ただ、その大きな巨体で、道を思い切り塞いでいるだけだ。
迂回すればどうにかなるかも知れない。短絡的に考えた。しかし、それは大きな間違いだった。
毛の横を触れるか、触れないかのギリギリで通り抜けようとした。
「いけるかも・・・。」
こんなに側にいるのに、毛の塊はピクリとも動かない。
ゆっくり、確実に、触れないように横歩きをした。
毛の塊の横幅は五メートルくらいだ。だから、奥行きも同じくらいだと思っていた。横歩きだったから気がつかなかったのだろうか?いや、はじめの長さは確かに五メートルくらいだったように見えた。それなのに、僕が奥に行けば行くほど、毛の塊の長さが増していくようだった。
「さっき、こんなに長かったっけ?」
それでも戻らず、奥へと進む。
その時見てしまった。本当に一瞬の事だ。一気に五メートルくらい長さが追加された。それも伸びたのではない。地面から生えてきたのだ。何もない普通の道から、黒い毛の塊が生えてきた。あり得ない。
完全に行き場を失った。これではいつまでも横歩きのままだ。ただ、この狭い場所をいつまでも横歩きなんて、とてもじゃないけど体が持ちそうにない。
「どうしよう・・・。」
僕もそれを心がけ、森にある長い一本道を歩いていた。ここは人の領域のはずだった。
「・・・。」
言葉は出なかった。代わりに汗がドッと吹き出てきた。
目の前には大きな黒い毛の塊がいる。僕にはそれが何かわからなかった。
「じいちゃん・・・?」
足下にいる犬に話しかけた。この犬の中に、じいちゃんの魂が入っている。前は中にいるじいちゃんと話せたけど、今は難しそうだ。こんなに僕が困っているにも関わらず、何も言ってくれない。
「やっぱ、ダメか・・・。」
一人でどうにかするしかない。覚悟を決めた。ただ、毛の塊は僕に何かしているわけではない。ただ、その大きな巨体で、道を思い切り塞いでいるだけだ。
迂回すればどうにかなるかも知れない。短絡的に考えた。しかし、それは大きな間違いだった。
毛の横を触れるか、触れないかのギリギリで通り抜けようとした。
「いけるかも・・・。」
こんなに側にいるのに、毛の塊はピクリとも動かない。
ゆっくり、確実に、触れないように横歩きをした。
毛の塊の横幅は五メートルくらいだ。だから、奥行きも同じくらいだと思っていた。横歩きだったから気がつかなかったのだろうか?いや、はじめの長さは確かに五メートルくらいだったように見えた。それなのに、僕が奥に行けば行くほど、毛の塊の長さが増していくようだった。
「さっき、こんなに長かったっけ?」
それでも戻らず、奥へと進む。
その時見てしまった。本当に一瞬の事だ。一気に五メートルくらい長さが追加された。それも伸びたのではない。地面から生えてきたのだ。何もない普通の道から、黒い毛の塊が生えてきた。あり得ない。
完全に行き場を失った。これではいつまでも横歩きのままだ。ただ、この狭い場所をいつまでも横歩きなんて、とてもじゃないけど体が持ちそうにない。
「どうしよう・・・。」