lotlotlot3-血脈の果て-
ヤスタツは不安になった。回復呪文に何か手違いがあったのだろうか。頭を過ぎる。
「ちょっとよろしいですか?」
ヨダセンの頭に手をかざした。そして、上下に動かす。ヤスタツはヨダセンの具合を探った。こうする事で体の隅々まで調べられる。
<・・・?>
わからない。ヨダセンの言う違和感。それは体のどこかに不調があり、それが違和感を生み出しているものだと考えていたが、どうも違うようだ。ヨダセンの体はいたって健康だ。こんな事がある前よりも健康だと言ってもいいくらいだ。
「申し訳ありません。その違和感の原因を探りましたが・・・いったい何が原因なのか・・・。調べる限りでは、ヨダセン様の体は健康そのものです。」
「だろうね。」
「しいて言えば、ここ数日、ヨダセン様は眠り続けられておられました。それが急に目覚められたので、体が驚いているのかもしれません。」
神妙な面もちで答えた。
「気にしなくていいよ。確かに違和感ではあるけど、別にこれは嫌じゃないから。」
「そうですか・・・。でも、何かございましたら、必ずこの私にお知らせください。」
「うん、わかったよ。」
素直な返事だ。それなのにヨダセンの瞳の奥に、何か暗い、とても深い闇を持つ何かが見えた気がした。
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