lotlotlot3-血脈の果て-
「なんと・・・。」
すでに一分経った。
「さて、どうするか・・・。」
言術は使えない。なぜなら、すでにアイワイとの命綱で使っているからだ。言術は一度に一つしか使えない。単発のものなら連続で使えるが、継続している場合にはどうする事も出来ない。
また、一分経った。残り一分。この間にどうにかしなければならない。
「お父様・・・。」
アイワイも心配している。そして、何も出来ない自分にもどかしさを感じている。
「何、大丈夫だ?」
根拠などないが、そう言った。
「はい。」
アイワイは素直に信じた。今まで父親であるエーマリリスが嘘をついた事はない。だから信じた。
<やれやれ・・・。そんなに素直に返事されたら、泣き言など言えんわ・・・。>
娘の方を向き、にっこりと微笑んだ。
あと三十秒。
「アイワイ。一回、糸をほどく。何、一瞬だ。イバーエ君を持ち上げる一瞬だけだ。問題はない。持ち上げたらすぐに糸を元に戻す。そうしたら手繰り寄せてくれ。頼むぞ。」
「はい。」
<とは言ったものの、無事で済むわけはないか。>
中間空間とは、本来ならこの世にあってはならない空間だ。実のところ、今倒れているイバーエも、本物のイバーエではない。あくまでも言葉人形が、そう見えているだけだ。人のいられる空間ではない。
そこにエーマリリスがいれるのは、糸のおかげだ。アイワイとエーマリリスを結ぶ糸。そして、現実世界にいるアイワイ。これらが繋がっているからこそ、エーマリリスは現実世界のものでありながらも、中間空間にいられるわけだ。
つまり、糸をほどくと言う事は・・・言うまでもないだろう。
「いくぞ。bic。」
たった五秒だ。五秒の間に、エーマリリスは糸をほどき、そしてイバーエを持ち上げた。さらに糸を戻す。まさに早業だ。
「引け!引け!」
叫ぶ。とにかく叫んだ。
それに合わせ、アイワイは糸を手繰る。すごい速さだ。速すぎて勢いが殺せない。
「お父様、ごめんなさい。」
そう言った時にはエーマリリスは、アイワイの後ろにあったダイニングテーブルに頭をぶつけていた。
「あたた・・・。アイワイ、もう少し優しく頼むよ。」
「ご、ごめんなさい。慌てちゃって・・・。」
「そうだな。急かしたのはわしだしな・・・。」
すでに一分経った。
「さて、どうするか・・・。」
言術は使えない。なぜなら、すでにアイワイとの命綱で使っているからだ。言術は一度に一つしか使えない。単発のものなら連続で使えるが、継続している場合にはどうする事も出来ない。
また、一分経った。残り一分。この間にどうにかしなければならない。
「お父様・・・。」
アイワイも心配している。そして、何も出来ない自分にもどかしさを感じている。
「何、大丈夫だ?」
根拠などないが、そう言った。
「はい。」
アイワイは素直に信じた。今まで父親であるエーマリリスが嘘をついた事はない。だから信じた。
<やれやれ・・・。そんなに素直に返事されたら、泣き言など言えんわ・・・。>
娘の方を向き、にっこりと微笑んだ。
あと三十秒。
「アイワイ。一回、糸をほどく。何、一瞬だ。イバーエ君を持ち上げる一瞬だけだ。問題はない。持ち上げたらすぐに糸を元に戻す。そうしたら手繰り寄せてくれ。頼むぞ。」
「はい。」
<とは言ったものの、無事で済むわけはないか。>
中間空間とは、本来ならこの世にあってはならない空間だ。実のところ、今倒れているイバーエも、本物のイバーエではない。あくまでも言葉人形が、そう見えているだけだ。人のいられる空間ではない。
そこにエーマリリスがいれるのは、糸のおかげだ。アイワイとエーマリリスを結ぶ糸。そして、現実世界にいるアイワイ。これらが繋がっているからこそ、エーマリリスは現実世界のものでありながらも、中間空間にいられるわけだ。
つまり、糸をほどくと言う事は・・・言うまでもないだろう。
「いくぞ。bic。」
たった五秒だ。五秒の間に、エーマリリスは糸をほどき、そしてイバーエを持ち上げた。さらに糸を戻す。まさに早業だ。
「引け!引け!」
叫ぶ。とにかく叫んだ。
それに合わせ、アイワイは糸を手繰る。すごい速さだ。速すぎて勢いが殺せない。
「お父様、ごめんなさい。」
そう言った時にはエーマリリスは、アイワイの後ろにあったダイニングテーブルに頭をぶつけていた。
「あたた・・・。アイワイ、もう少し優しく頼むよ。」
「ご、ごめんなさい。慌てちゃって・・・。」
「そうだな。急かしたのはわしだしな・・・。」