lotlotlot3-血脈の果て-
体が軽い。リーグは思った。気持ちもいつになく軽やかな気がする。父親の事がなければ、かなり気持ちが高揚していたはずだ。とにかく全てが、村にいた頃の自分とは違っていた。
「ここ、いったい何なんだ?」
現実世界とは違う異質な世界は、見るもの全てが目新しく映る。
笑う木々。走る草。歌う花。植物がまるで生きているようだ。対して、動物に見えるものは動かない。動いたように見えても、それは花が咲くときのような淡い動きだけだった。
その中の植物が語りかけてきた。赤い実をたわわに実らせた木だった。
「唱えてみなよ。」
「唱える?」
木に話しかけるのもどうかと思ったが、ここでは全てリーグの想像を超えている。いちいち気にもしていられない。
「そう、唱えるんだよ。君、自分の力を使った事ないだろう?」
「力って?」
「ホントに気づいてないの?誰かに魔法使いだとか、そんな風に言われたでしょ?」
確かに言われた。しかし、それが本当だなんて思えない。それくらいに魔法と無縁な生活をしていた。だから、急に唱えろと言われてもどうしていいかわからない。
「言われたことは・・・あるけど・・・。唱えるって何を唱えたらいいんだ?」
「呪文も知らないの?」
「知らない・・・。」
と言ったとき、頭にひとつの呪文が浮かんだ。
「アカス。」
大地が割れた。それもただ割れただけでない。その奥で真っ赤な溶岩が出番を待っている。火の粉がかかったのか、何人かの木々は赤く、とても深い赤に染まり燃えていた。
「うわあああああああ。」
「熱い・・・熱い・・・消してくれ・・・。」
地面をのたうつ。下にいた草にも炎は分けられる。草など一瞬で燃えてしまう。
「ぎゃあああああああ。」
幻想的な世界は一瞬で、地獄絵図に変わった。
「ここ、いったい何なんだ?」
現実世界とは違う異質な世界は、見るもの全てが目新しく映る。
笑う木々。走る草。歌う花。植物がまるで生きているようだ。対して、動物に見えるものは動かない。動いたように見えても、それは花が咲くときのような淡い動きだけだった。
その中の植物が語りかけてきた。赤い実をたわわに実らせた木だった。
「唱えてみなよ。」
「唱える?」
木に話しかけるのもどうかと思ったが、ここでは全てリーグの想像を超えている。いちいち気にもしていられない。
「そう、唱えるんだよ。君、自分の力を使った事ないだろう?」
「力って?」
「ホントに気づいてないの?誰かに魔法使いだとか、そんな風に言われたでしょ?」
確かに言われた。しかし、それが本当だなんて思えない。それくらいに魔法と無縁な生活をしていた。だから、急に唱えろと言われてもどうしていいかわからない。
「言われたことは・・・あるけど・・・。唱えるって何を唱えたらいいんだ?」
「呪文も知らないの?」
「知らない・・・。」
と言ったとき、頭にひとつの呪文が浮かんだ。
「アカス。」
大地が割れた。それもただ割れただけでない。その奥で真っ赤な溶岩が出番を待っている。火の粉がかかったのか、何人かの木々は赤く、とても深い赤に染まり燃えていた。
「うわあああああああ。」
「熱い・・・熱い・・・消してくれ・・・。」
地面をのたうつ。下にいた草にも炎は分けられる。草など一瞬で燃えてしまう。
「ぎゃあああああああ。」
幻想的な世界は一瞬で、地獄絵図に変わった。