lotlotlot3-血脈の果て-
<僕はいらない子なの?>
涙は続く。
「そうだろう。ヨダセンは未だ魔法が使えない。対しておおては九歳にして、誰にも教わったわけでもないのに使えた。これは才能の違いだけではない。ヨダセンは才能以前に・・・資質がないのだ。王たる資質、魔法使いとしての資質。すべて足りない。」
聞いていた大臣達は驚いた。確かにおおての才能は大したものだ。しかし、それはヨダセンが劣っていると言うわけではない。普通、教えられても魔法が使えるのが十二歳とかそんなものだ。おおてが異常だと言うべきだ。それをここまで言われたら、この場にヨダセンがいないとは言え、大臣達もかわいそうになってきた。
「さすがにそこまでは言い過ぎでは?」
ほほらんは言った。
「何、言い過ぎなものか。それにこの場にヨダセンはおらぬしな。まぁ、例え聞かれたとしても・・・王になれるのは一人だけだ。いなくなってもらっても、別に構わないがな。」
呆れた。王は自分の息子であるおおての才能に酔いしれていた。もしヨダセンが聞いていたらどう思うのか、そんな気遣いは感じられない。
限界を超えた。
ヨダセンは城壁の中から出てきた。まず右手、それから左足。不安定になった心を支えるように、ゆっくり確実に歩いた。それは必死で悲しみを堪えている様にも見えた。
「なっ、ヨダセン・・・。」
王は驚き後退りした。
「ヨダセン様。」
ほほらん達も同様に驚いている。
「僕はいらない子?」
涙のせいで、所々声が枯れている。ヨダセンは問いかける。
「な、なんだ・・・ヨダセン。お前、どうやって・・・?」
王は問いに答えない。ヨダセンに質問で答えた。
「僕は・・・僕は・・・おおてのように・・・まだ魔法は使えないよ。でもね・・・魔法は使えなくても・・・こうやって壁の中に隠れたりとか・・・出来るんだよ・・・。それでも・・・それじゃ・・・ダメなの?僕はいらない子なの?」
「いらない子じゃないさ・・・。」
王はひきつりながら答えた。
意識的なものではない。ヨダセンの哀しみが無意識に言術を発動させていた。<父親の本当の気持ちが知りたい。>その想いが言術となっていた。
涙は続く。
「そうだろう。ヨダセンは未だ魔法が使えない。対しておおては九歳にして、誰にも教わったわけでもないのに使えた。これは才能の違いだけではない。ヨダセンは才能以前に・・・資質がないのだ。王たる資質、魔法使いとしての資質。すべて足りない。」
聞いていた大臣達は驚いた。確かにおおての才能は大したものだ。しかし、それはヨダセンが劣っていると言うわけではない。普通、教えられても魔法が使えるのが十二歳とかそんなものだ。おおてが異常だと言うべきだ。それをここまで言われたら、この場にヨダセンがいないとは言え、大臣達もかわいそうになってきた。
「さすがにそこまでは言い過ぎでは?」
ほほらんは言った。
「何、言い過ぎなものか。それにこの場にヨダセンはおらぬしな。まぁ、例え聞かれたとしても・・・王になれるのは一人だけだ。いなくなってもらっても、別に構わないがな。」
呆れた。王は自分の息子であるおおての才能に酔いしれていた。もしヨダセンが聞いていたらどう思うのか、そんな気遣いは感じられない。
限界を超えた。
ヨダセンは城壁の中から出てきた。まず右手、それから左足。不安定になった心を支えるように、ゆっくり確実に歩いた。それは必死で悲しみを堪えている様にも見えた。
「なっ、ヨダセン・・・。」
王は驚き後退りした。
「ヨダセン様。」
ほほらん達も同様に驚いている。
「僕はいらない子?」
涙のせいで、所々声が枯れている。ヨダセンは問いかける。
「な、なんだ・・・ヨダセン。お前、どうやって・・・?」
王は問いに答えない。ヨダセンに質問で答えた。
「僕は・・・僕は・・・おおてのように・・・まだ魔法は使えないよ。でもね・・・魔法は使えなくても・・・こうやって壁の中に隠れたりとか・・・出来るんだよ・・・。それでも・・・それじゃ・・・ダメなの?僕はいらない子なの?」
「いらない子じゃないさ・・・。」
王はひきつりながら答えた。
意識的なものではない。ヨダセンの哀しみが無意識に言術を発動させていた。<父親の本当の気持ちが知りたい。>その想いが言術となっていた。