lotlotlot3-血脈の果て-
「しかたないね。」
対して、るるんぱは冷静だ。
「そ、そんな・・・。」
膝を地についた。何も考えられない。

もう死にそうだ。子供の頃からモノマネは得意なほうだった。父親やイバーエの祖父であるメルツ。誰のモノマネをやっても、皆大喜びだった。だから、るるんぱの真似だって造作もない。笑いを堪えるので、もう死にそうだ。わわはすっかり騙されている。
<バカが・・・。すっかり騙されてやがる。>
気分は最高潮だった。

色の王。魔法使いの間に伝わる伝説の魔法使い。過去の如何なる高名な魔法使いもなれなかった最強の魔法使い。
リーグの中に流れ込んできた記憶が語る。
何を臆する事があるのか?言術使いなど恐るに足らない。戦いを促す。
すると体を巡る血がたぎるのがわかる。しかし、それでもリーグの意志がはるかに強かった。言術使いであるイバーエと、戦わなければいけない理由などない。過去にどんな諍いが、魔法使いと言術使いにあったのか知らないが、そんなのは知ったことではない。
そう思うと気持ちが落ち着いていく。自身の中での葛藤はこれからも続くだろう。ただ、今のところリーグの勝利だ。
「そうだ。それでいい。」
「は?何かおっしゃいましたか?」
「何でもないよ。それより疲れた。少し休ませてくれないか?」
「はい。」
わわは部屋を出た。リーグは椅子を揺らす。はじめは早く、そして徐々にゆっくりと。椅子が止まった。同時にリーグは眠っていた。幼い寝顔はとても王のものとは思えなかった。
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