lotlotlot3-血脈の果て-
森の姿は見えるけど、城の姿は見えない。でも、僕は見た。となると、空から来るようなズルは認めないと言ったところだろうか。
それをアイワイさんも思ったのだろう。“鮫、宙を舞う”を地上に降ろした。
「じゃ、ここら辺で待ってて。何かあったら呼ぶから、絶対に迎えに来てね。」
背鰭をさすりながらそう言った。“鮫、宙を舞う”はグルグルとその場で回転し、とてもうれしそうにしている。きっと、アイワイさんに頼られるのがうれしくてしょうがないのだろう。
「あとでね。」
今度は少し寂しそうに見えたのは、僕の気のせいだったのだろうか。
とにかく僕達は森の奥へと進んだ。
順調だ。順調すぎて怖くなる。それくらいにエーマリリスさんの造った道具はすごかった。
「すごいね。僕が一人出来た時は変な動物とか、道に迷ったりとか大変だったのに・・・。そんな感じが全然ないよ。」
「当然よ。だって、お父様が造ったのよ。」
アイワイさんの手の中には小さな文庫本があった。勝手にページがめくられ、そこに文字が浮かんでくる。アイワイさんはその通りに行動しているだけだ。
「退屈になっちゃうくらい平和だね。この森って言術使いとかを阻止するためにあるのに・・・。」
「“退屈な人生ほどつまらないものはない”って名前なくらいだからね。確かに退屈過ぎると人生つまらないかもしれないわね。」
どんどん奥に進む。差し込む光の量が少なくなり、全体的に薄暗く感じる。それが証拠だ。
「あれ、待って。」
アイワイさんが突然叫んだ。
「どうしたの?」
そう言って彼女の方を見て驚いた。さっきまで一ページ、一ページずつゆっくりとめくられていたページが、すごい速度でどんどんめくられていく。ただ、そのちょっと前のページには“このまま何も気にせずまっすぐ歩け”とあった。だから、歩みは止めていない。
「アイワイさん、何やってるの?それじゃ、この先どうすればいいのかわからないよ。」
「私、何もやってないよ。本が勝手に、勝手にやっているんだよ。」
「えっ?」
止まった。ページが止まった。
それをアイワイさんも思ったのだろう。“鮫、宙を舞う”を地上に降ろした。
「じゃ、ここら辺で待ってて。何かあったら呼ぶから、絶対に迎えに来てね。」
背鰭をさすりながらそう言った。“鮫、宙を舞う”はグルグルとその場で回転し、とてもうれしそうにしている。きっと、アイワイさんに頼られるのがうれしくてしょうがないのだろう。
「あとでね。」
今度は少し寂しそうに見えたのは、僕の気のせいだったのだろうか。
とにかく僕達は森の奥へと進んだ。
順調だ。順調すぎて怖くなる。それくらいにエーマリリスさんの造った道具はすごかった。
「すごいね。僕が一人出来た時は変な動物とか、道に迷ったりとか大変だったのに・・・。そんな感じが全然ないよ。」
「当然よ。だって、お父様が造ったのよ。」
アイワイさんの手の中には小さな文庫本があった。勝手にページがめくられ、そこに文字が浮かんでくる。アイワイさんはその通りに行動しているだけだ。
「退屈になっちゃうくらい平和だね。この森って言術使いとかを阻止するためにあるのに・・・。」
「“退屈な人生ほどつまらないものはない”って名前なくらいだからね。確かに退屈過ぎると人生つまらないかもしれないわね。」
どんどん奥に進む。差し込む光の量が少なくなり、全体的に薄暗く感じる。それが証拠だ。
「あれ、待って。」
アイワイさんが突然叫んだ。
「どうしたの?」
そう言って彼女の方を見て驚いた。さっきまで一ページ、一ページずつゆっくりとめくられていたページが、すごい速度でどんどんめくられていく。ただ、そのちょっと前のページには“このまま何も気にせずまっすぐ歩け”とあった。だから、歩みは止めていない。
「アイワイさん、何やってるの?それじゃ、この先どうすればいいのかわからないよ。」
「私、何もやってないよ。本が勝手に、勝手にやっているんだよ。」
「えっ?」
止まった。ページが止まった。