lotlotlot3-血脈の果て-
「そうじゃ。ただ、イバーエやわしが使うlot系の言術は、想いだけが全ての力の源だ。例え土地の力に打ち消されたとしても、再び使える。想いさえあればいいのだからな。」
じいちゃんの言葉に、僕は反論した。
「でも、あんなに短くちゃ使い物にならないよ。」
「はぁ。」
また、犬のため息を見た。
「少しは頭を使え。こうするんじゃ。」
そう言って言術を唱えた。
「さぁ、あの城の中に行きたいと想い、言術を使って見ろ。」
「う、うん。」
想いを創る。
「lot。」
驚いた。僕達はもう城の中にいた。
「な、なんで?」
「簡単な事だ。お前の言術が消えそうになったら、再び自動的に力が発動するようにしただけだ。目的を果たすまでな。そう言術を先に唱えておいただけじゃ。」
「よくわからないよ。」
「はぁ。」
まただ。
「とにかく、どんな困難に出会った時でも考える事だ。考えれば、どんな困難だって困難と思わなくなる。それが言術と言うものだ。通り一遍ではなく、色々な方向から物事を捉えてみろ。」
「う、うん。」
何を言っているのかさっぱりだ。とりあえず返事だけしておいた。
「あとはお前たちで何とかしろ。」
「えっ、なんで?手伝ってよ。」
「そうしてやりたいところだが、そろそろ犬が起きるらしい。なので、ここまでだ。さっき、言った事を忘れるんじゃないぞ。」
「じいちゃんっ。」
僕はメルツを抱えた。顔を舐められた。じいちゃんなら、こんなの絶対にしない。本当にじいちゃんは消えてしまっていた。
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