lotlotlot3-血脈の果て-
「見つかったのかも知れない?」
さっきの言葉はイバーエに届いていなかった。だから、アイワイは同じ事をもう一度言った。
「えっ?」
「そう考えるのが普通じゃないかな。さっきのは警報とかそんな類よ。まぁ、言術使いを毛嫌いしているなら、それくらいの仕掛けがあっても無理はないわ。」
「そ、そうなの?」
イバーエは見つかったらヤバいくらいにしか考えていなかった。だから、城の中に、誰にも見つからず入れればいいと思ってた。その思惑がはずれ動揺した。
「そうなのって・・・。普通の城だって外敵が来たら、排除するための仕掛けがたくさんあるよ。学校で習わなかった?」
「僕、勉強が苦手で・・・。聞いたかもしれないけど・・・ごめん。」
呆れた。しかし、それを今追求しても意味はない。
「いいよ、謝らなくて。それより、これからどうするか考えなきゃ。」
頭が回らない。イバーエは動揺して、アイワイは言術が使えないが故に、どうしたらいいのか想像できない。
「ど、どうしよう・・・?」
「・・・そんなの・・・イバーエ君は言術を使えるんだから、イバーエ君考えてよ。」
「無理だよ。何かエーマリリスさんからいい道具もらってないの?」
人任せのイバーエに嫌気がさす。
「少しは人任せばかりしないで、自分で考えなよ。さっきだって、おじいさんに手伝ってもらったり・・・。男の子でしょ。もっと、しっかりしなよ。」
アイワイは苛立っていた。それだけイバーエの情けなさが鼻についたのだろう。それはショックだった。イバーエは何も言えなかった。
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