lotlotlot3-血脈の果て-
「lot。」
言術を唱えた。しかし、ここは魔法使いの居城だ。森より遙かに強い力が働いている。言術は発動出来ない。
虹はさらに割れていく。
アイワイももちろん言術を使えない。メルツはまだグッタリしたままだ。絶体絶命とはまさに今だ。

“私の屋敷に光の玉が浮かび上がる。そして、その中にアイワイとイバーエ君がやってくる。それはふたりのいる空間とここを融合する。”

イバーエ達を光の玉が包んだ。後ろの方は見た事のある景色が広がっている。目の前は城の中だ。
<これって・・・。空間接続詞?それなら・・・。>
「bic、bic。」
虹が修復される。だが、マグマは完全には消えなかった。所々、マグマが漏れ、虹を焦がしていた。
「何をする!」
「お願い、リーグ君。やめて。元に戻って。」

いつの間にかリーグは陶酔していた。憧れていた言術使い。それはその力故だ。それが自分の方が遙かに優位に立っている。それが誇らしかった。
すり替わっていた。記憶が行動しているのではない。リーグが行動していた。イバーエに対する妬み、憧れ、様々な感情が入り乱れリーグをおかしくさせていた。
「元に戻る?何の事だ?」
「えっ?」
アイワイは驚きを隠せない。イバーエは何の事かさっぱりだ。わわは聞き耳を立てた。
「ここにいるのは、るるんぱとか言うバカな魔法使いじゃないって事さ。あいつは消えた。俺が消し去ってやった。」
「!!」
わわの表情が険しくなる。
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