lotlotlot3-血脈の果て-
「本当なの?じゃ、なんでこんなの、やめてよ。」
「簡単だよ。俺も心のどこかで思ってたんだよ。言術使いが憎いってな。それを今までごまかしていた。けど、もう違う。言術を遙かに凌ぐ力を得て変わったんだよ。」
「言術使いが憎いなんて嘘でしょ?」
「いいや、本当さ。あんたの親父にされた仕打ち、あれが決定的だったな。そんな感情を、この偉大なる城の記憶が呼び起こしてくれたってわけさ。」
空間接続詞を介して話を聞いていたエーマリリスが言った。
「あ、あれはお前がアイワイに色目を使ったからだ。別に言術使いじゃないからとか、そんなつもりはなかった。」
リーグの目は冷たい。
「そう思うわけがないだろう?あの時、言術使いじゃなかったのは俺だけだ。その疎外感が答えだよ。言術使いじゃない俺を疎ましく思ったはずだ。」
「そんなつもりは・・・。」
どんなに言葉を重ねても、リーグには通じない。それだけ心に負った傷は大きかったのだろう。
「とにかく俺は・・・お前達を許さない。言術使いを許さない。それだけ・・・。」
そこでリーグの声が止まった。
「!」
リーグの後ろに女がいた。わわだ。
「私はあんたを許さないよ。」
リーグの背中にはナイフが深く刺さっていた。立場が逆転していた。
リーグは少し前、アイワイを救うために魔法使いにナイフを突き立てた。それがわわの姉であるねねだ。結果、ねねは死んだ。まさに今の光景はそれと同じだ。ナイフはリーグが使ったそのものだった。
「いつか、あんたを殺してやろうと持ってたのさ。色の王だろうとなんだろうと、体は普通の人間だからね。どうだい?痛いかい?」
そう言いながら、ナイフを左右に揺らす。リーグは苦悶の表情を浮かべる。
「くっ。」
「恨みがあるならあるで、とっとと殺しちまえば良かったのさ。それをウダウダやってるから、隙が出来るんだ。ほら、もっと苦しがれ。」
わわはエフスを唱えた。滲んだ血が一気に燃え上がる。
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