lotlotlot3-血脈の果て-
虹は血に染まり、その美しさを台無しにされていた。
「リーグ・・・。」
しかし、返事はない。まだ、立ってこそいるけれど、返事をする余裕などなかった。
「はぁ、はぁ・・・。」
呼吸だけが聞こえる。
「とっとと、みすぼらしく、床に這いつくばっちまいな。」
リーグを、わわは思い切りけ飛ばした。抗えず床に倒れた。
<くそっ・・・。>
表情でそう言ってみるが、声には出せない。
「なんだい?その顔。ムカつくんだよ。」
しゃがみこみ、リーグの掌にナイフを突き立てた。
「うわああああああああ。」
聞くに耐えないほどの叫び。それがこだました。
「お父様、どうにかならないの?」
アイワイは助けを求める。空間接続詞の中は少なくとも半分は普通の世界だ。どんなに言術を拒んでいる土地だとしても、半分の力は出せるようになっている。なのに、アイワイも、イバーエも言術が発動できない。あり得ない事だ。
「すまん・・・。わからん・・・。」
ただ、それだけだった。
「そ、そんな・・・。」
絶望した。
ふたりは匙を投げていた。自分はどうすればいいのか?イバーエは自問自答した。様々な考えが交錯した。悩む、悩む、悩む。
わわはもう一方の掌にも、ナイフを突き立てる。狂気の声が聞こえてくる。
僕は泣いた。どうして泣いたかは、自分でもよくわからない。けど、涙が止まらなかった。
< 79 / 87 >

この作品をシェア

pagetop