lotlotlot3-血脈の果て-
絶望と希望
涙は止まらない。こんなに悲しい事ばかり起こるのは、人生の中でもそうそうある事ではない。アイワイは泣き崩れていた。
「アイワイ、泣いている場合ではないぞ。」
気丈に振る舞うよう、エーマリリスは言った。
「はい、お父様。」
アイワイは立ち上がる。
「もう、無駄かもしれない。でも、やるしかないんだ。」
リーグは虫の息だった。それをこれから二人で治そうと言うのだ。
「いくぞ。」
「はい。」
疲れながらも言術を唱えた。
リーグの様子を伺う。まだ、何も変化が見られない。
「どうして・・・?」
「あきらめるな。もう一度だ。」
再び唱えた。今度は少しでも多くの効果が出るようにと第二言にした。しかし、状況は変わらない。
「お父様・・・。」
「なんだい?」
「第三言を、第三言を使ってはダメですか?」
イバーエを見れば、その効果はすさまじいものだとわかる。しかし、第三言は禁じられた言術だ。エーマリリスが許すはずもない。
「ダメだ。」
「何でですか?第三言なら、リーグ君を救えるのに・・・。」
「第三言はそう言うものではない。」
「どう言う意味です?」
「言術は想いが大切だと言うのは、説明するまでもないな?」
「はい。」
「第三言は想いだけど、想いじゃないんだ。どちらかと言うと本能に近い。憎しみや怒り、それらの想いのみに発動する。ケンカして思わず手が出るとかあるだろう。その力の大きさこそ違うが、感覚としてはそれに近い。」
「!」
「そうだ。第三言で、リーグ君を救えない。」
「そんな・・・。」
落胆した。
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