ちぇんじ☆

我忘れ

「隼人がいなくなった?」

 しばらく無言だったお母さんからの第一声は、
 曖昧な私の言葉に対する疑問の言葉だった。
 余りの気分の重さに俯いてしまったままお母さんの言葉を聞く私。
 お母さんからの質問には小さく頷くのがやっとだった。

「この場にいないってことかしら?」

 続く質問に小さく首を横に振る。
 お母さんの言葉を否定するわけではないけれど、この場にいないだけかどうか分からない。

――もしもそうならば、私の心配は杞憂になる。

 いや、杞憂ならば嬉しいことなんだけど。
 状況が良く分からない現在、いい加減なことは言えない。
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