ちぇんじ☆
 晩御飯の準備はすでに出来ていたらしく、
 手早くテーブルに晩御飯が並べられる。

 冷奴に山芋をすりおろしたもの、ご飯、味噌汁、豚の生姜焼き。

 どれも美味しそうだ、が……この状況では食欲が――。

「さ、食べましょ」

 食の進まない私に構うことなくさっさと食べ始めるお母さん。
 私の箸は全く動かない、動かせない。
 気分が重すぎて喉を通る自身が無い。

「あら? 食べなさいよ~」

 私の様子に気が付いたお母さんが食べるように促してくる。
 とりあえず誤魔化すためにも一番喉を通りそうなお味噌汁に手をつける。

――うわ、めっちゃ美味しい。
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