ちぇんじ☆
 時間を少し遡る、
 駅のホームであのまま五分ほど号泣。
 周囲にいた人たちの注目も集めてしまった。

「何だ?」
「痴話ゲンカか?」
「あの女の子と言い合ってたぞ」
「彼氏、弱いなぁ」
「朝っぱらからやめてくれよなぁ」

 などの声に耐え切れなくなった元のままの私が泣いてる私の腕を強引に引っ張ってこの噴水の所まで連れてきたのだった。

「んーとさ、そんでさ、落ち着いたならもう一回順を追って話してくれない?
いきなり『私になりきってる』とか言われてもチンプンカンプンだよ」

 元のままの私がやれやれといった表情で現在の私を見ながらそう言う。
 私は私に向かって今朝からの出来事を上手く言葉にできず、
 たどたどしい説明を始めた。
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